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医師にとって開業とは(2) | ![]() |
医師の生涯で大きな節目は、医師の国家資格をとること、結婚すること、自宅を建てること、そして前回お話した大学医局か勤務医か開業医かの選択をすることなどですが、今回の「開業医の道」の選択は事業を起こすことでもあり、大きな借金を抱えることにもなりますので、一番大変な節目ともいえます。開業を志しても、そのリスクの大きさから不安も大きく、悩まれる先生が大半です。 我々の経験でいうと、開業して成功するのは、医師本人が臨床に向く人柄か、本気で開業を志しているかの二点で決定されると考えています。臨床医や開業医に向かない先生とは、人間関係を作れないか常識が欠落した先生です。 酷な言い方ですが、どんなに頭が良くても人間を相手にする大事な仕事で、人とのコミュニケーションがとれない医師は致命的です。基礎や研究部門でお仕事されては如何でしょうか。 旧帝国大学だった医学部出身の先生に、この傾向の方が多いようです。 学校教育で偏差値重視の教育の結果、「でも・しか」先生が生まれている要素もあるようです。医学の道では、そういう先生の存在もあっていいかもしれませんが、医療ではどうなのでしょうか? 開業医を「たかだか町医者」と卑下される先生がいらっしゃいます。プライマリーケアの第一線で医療を担う先生方が主人公なのに、医学界のほうが上だと思われている医療界の「常識」は、社会的には「非常識」ではないでしょうか。 開業医こそ日本の医療を担ってきた中心的な存在です。患者さんや地域医療に真剣に取り組む先生の姿こそ、一番医師らしい姿だと思うのですが、先生方はどう思いますか? そういう意味で、開業医の「でも・しか」先生にはならないで下さい。開業支援をする我々の意欲が減退します。
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