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患者さんを増やすということ(1) | ![]() |
患者数を考えていくうえで、クリニックの建物および駐車場の及ぼす影響についてお話します。 患者さんの受療動向には、季節による変動があります。 小児科では夏休みの時期と冬場ではかなり患者数に差があります。 皮膚科は季節変動が逆になります。 その他の診療科も季節要因に影響をうけることが多いと思います。 患者数が多い時に100名でも、少ない時40名ならば平均は70名になりますが、問題は多い時のハード上のキャパシティにあります。 多い時はいくらでも多いほうがいいはずです。 しかし人的対応余力はありながら患者数にブレーキをかけてしまうのがハードです。 クリニックの経営は処方箋を発行していれば変動物件費が少ないので、人件費やリース料等の固定費が主要な支出になります。 患者数が多くなればなるほど利益の幅が大きくなることは、院長先生は経験でよくご存知のことと思います。 よく先生方に「投資は少ないほうがいいから」と小規模のクリニックで開業される先生がおられます。 しかしそれは利益を生み出す仕組みを自ら閉ざすことになる可能性が高いことを指摘しておきます。 「投資無きところに回収なし」です。 過大な投資は問題ですが、過少投資も問題です。 適正な投資を図るには、様々な要素を集約して決定していかなければなりませんが、患者数を増やすということを焦点にした場合の建築上の問題点をあげておきます。 ■駐車場 患者さんの通院手段を把握し、駐車場の台数が適正かどうか季節的な要因も把握しながら検討してみてください。従業員の駐車はできるが患者さんは出来ないということはないでしょうか? ■玄関 スリッパに履き替えるクリニックの場合、スリッパの数は何足ありますか? 玄関が靴で一杯で「足の踏み場もない」状況になっていませんか? ■待合室 座席数はいくつですか? ■処置室 どういう症状の患者さんを、何人いれて一人あたりどれくらいの時間がかかるか計算していますか? ■患者動線 待合室・診察室・検査室・放射線室・処置室・リハビリ室等への患者さんの動きが少なくてわかり易くなっていますか? ■空調 かび臭くなっていませんか? 適温設定ですか? ■従業員動線 人的対応能力を活かす設計になっていますか? 先生の動線、スタッフの動線を考慮していますか? ■患者さんのプライバシーの保護 診察室の声が他の患者さんに聞こえていませんか? まだまだありますが、ハードが患者数に及ぼす影響について述べてみました。 仮にハードの対策がなされているとして、立地も良くて患者さんが来ないのであれば、嫌なことを言いますが、「院長先生」を含む人の問題となります。 次回は人の問題に触れてみたいと思います。
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