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 患者さんを増やすということ(2)閉じる


前回は、患者さんを増やすうえで、ハード上で考慮すべきことを述べました。
今回は人が及ぼす影響について検討してみます。

■医療技術について

労働集約型産業の典型である医療機関の一番の特徴は、医療に関する技術を患者さんに提供し、その対価として診療報酬を得られるところにあります。
医療技術は人それだけでは完結できず、医療器械や設備および薬品や医療材料などの道具を必要とします。属人的な技術もツールを得てはじめて形を成すわけですが、ここで問題になるのが先生方の自らの技術力に対する認識です。
当社で開業をされる先生方のお手伝いをさせて頂いていますが、その経験のなかで、クリニックの果たすべき機能や事業計画と、先生がもっている自分に対する技術評価にズレがある場合があります。
そのズレは過大投資か過少投資という形であらわれます。
地域が見えていないし、患者さんが見えていないし、自分が見えていないという状況です。これを端的に表現すると「独りよがり」という言葉になります。

前回までは、地域や立地、建物・設備などを客観的に把握して患者さんを増やすためにどうするのか提案してきました。
今回は先生自らを客観的に把握してください。
自らの技術力を客観的に把握できないなら、医療機関としてのマンパワーサービスの基本が組み立てられないという結果になります。
地域のなかで、開業地の市場性と供給体制の現状から、自ら主体がどのようにかかわっていくか見極めていかなければなりませんが、その主体に対する認識が不正確な場合、採用する戦略が不正確となります。
誤解を受けないために敢えて付け加えると、技術・学術の力量が優れていなければいけないといっている訳ではありません。
医療をめぐる市場の中で、先生がどういうふうにかかわっていくのが一番適切なのかを探るために、正確な自己認識が必要なのです。
これは既存の開業されている先生方も同じように問われていると思います。
古くなった診療スタイルや技術が新しい世代にだんだん通用しなくなっていくことを感じながらも、従来のままで時間が経過しているのではないでしょうか。

次回は、先生の人となりが患者数に及ぼす影響について述べさせて頂きます。

  


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